「わきがの臭いは、わきの下を脱毛すると弱くなる」と聞いたことがある方は多いと思います。でも一方で、「かえって強くなる」と聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか?

脱毛をするとわきが臭は減少するの?

基本的には、わきの下を脱毛するとわきが臭は軽くなります。

まず、ムダ毛がなくなることで、汗を洗い流したり、拭いたりなど、お手入れがしやすくなります。また、わきの下を脱毛することで、わきが臭が発生しづらいコンディションを作ることもできます。

これについては後述します。

ただ、注意点もあります。脱毛の方法によっては、処理したあとで逆にわきが臭が強くなるケースも報告されているのです。

冒頭で述べたように、脱毛は基本的にはわきが臭の対策としては有効ですが、脱毛の方法は注意して選ぶ必要があります。

わき毛が多いとわきが臭が強くなる?

そもそもわきが臭は、わきの下にある汗腺の一種、アポクリン腺からの汗と、皮膚常在菌によって作られます。

常在菌とは人間の皮膚や毛穴に付着し、人間と共存している細菌のことで、ふだんは病原菌など、人間の体に害が大きい雑菌が侵入するのを防ぐ役割を持っていますが、この常在菌がアポクリン腺からの汗を分解すると、独特のわきが臭が発生するのです。

わきの下にムダ毛が多いと、2つの点でわきが臭が発生しやすくなります。

①汗がムダ毛に付着することで、わきの下にとどまりやすくなる。

②ムダ毛によって皮膚の表面が温かく湿気の高い環境になるため、常在菌が活動しやすくなり、汗の分解が早く進む。

ムダ毛があると、わきの下に汗と常在菌が多くとどまってしまうため、わきが臭が強くなりやすいのですね。ムダ毛が多ければ多いほど臭いも強くなる、とまではいえませんが、ムダ毛がないほうが、よりわきが臭が発生しづらいコンディションを作る、ということは確実です。

脱毛と毛抜きどちらが効果的?

脱毛処理といってもたくさんの方法があります。抜いたり、剃ったり、エステに通ったり。最近は家庭用脱毛器もずいぶん進化しています。

わきが対策を重視して選ぶなら、どの方法が有効なのでしょう?

抜く方法は避けたほうがよい

まず、毛抜き、ワックスなどムダ毛を「抜く」タイプの処理方法は避けたほうがよいでしょう。ムダ毛を抜いて処理した場合、逆にわきが臭が強くなった、というケースが少なくないからです。

ムダ毛がなくなるのは同じなのになぜ? と不思議に思われるでしょうが、毛を抜くことで、わきがのおおもとであるアポクリン腺を刺激してしまい、汗の分泌が多くなってしまうのです。

アポクリンは毛穴のすぐ近くに位置しているため、毛を強く引っ張ることで血流がうながされ、活動が活発になると考えられています。

シェーバーやクリームはアポクリン腺を刺激するリスクがないので、毛抜きよりはこちらがおすすめです。ただし、ひんぱんに処理する必要があり、わずらわしく感じるかもしれません。

エステ、クリニックの脱毛にも注意が必要

現在、エステやクリニックで主に採用されているのは、光脱毛やレーザー脱毛です。

太陽光のように、濃い色に吸収されて熱を発生する性質の光を患部に照射し、それによってムダ毛だけを熱して毛根を焼き、脱毛させる方法です。

脱毛処理としてはメリットが多い方法なのですが、わきが臭にかんしては、やはり、施術を受けたあと、かえって臭いが強くなった、という声が、多くはないものの寄せられています。

先ほど、毛根を熱して脱毛させる方法であると説明しましたが、その際、脱毛用のライトやレーザーによってアポクリン腺も熱を受け、血流が増加して汗の分泌が増えるためといわれています。

確実にわきが臭をおさえたいなら、ニードル脱毛がおすすめ

ニードル脱毛、針脱毛、電気脱毛とも呼ばれる方法です。極細の針を毛穴に差し込み、毛根に高熱を加えて脱毛させます。

毛穴が熱せられるのは前述の光脱毛、レーザー脱毛と同じですが、ピンポイントに毛根部分だけを熱することと、1~2回程度の施術で処理が完了することから、アポクリン腺に影響を与えるリスクは低いとされています。

ただ、ニードル脱毛のデメリットは、痛みが非常に強いことと、料金が高額になってしまうことです。

レーザーなどよりも処理温度がはっきり高いため、その分、痛みも強くなってしまうのです。また、ある程度まとめて処理することができる光脱毛やレーザー脱毛と違い、ムダ毛を1本ずつ処理する方法なので、時間と労力、料金がかかるわけです。

なお、ニードル脱毛を受けることができるのは、皮膚科など医療機関のみです。

エステサロンではニードル脱毛は許可されていません。

脱毛するとわき汗が増えるって本当?

上のトピックでも既にふれましたが、光脱毛やレーザー脱毛で処理をすると、わき汗が増えることがあります。

熱でアポクリン腺が活性化され、汗の分泌が増えることは解説しましたが、アポクリン腺だけではなく、エクリン腺も同じように熱で活性化するため、わきの下から大量に汗をかくようになると考えられています。

エクリン腺も汗腺ですが、こちらは体温調節のための発汗器官です。

暑いときに出る、さらさらした汗を分泌する汗腺ですね。

医師の間ではこの症状はあまり認められておらず、「気のせい」と言ってすましてしまう医師も多いようです。

ただ、こうした症状を訴える方はかなり多いことや、脱毛する前は汗がほとんど気にならなかったのに、脱毛後は衣服がぐっしょり濡れるほど汗をかくようになったなど、かなり極端な変化を感じている方もいることを考えると、逆に「気のせい」と言い切るのは無理があるように思われます。

脱毛による多汗症は一時的なもので、恒久的に続く症状ではありません。

また、前述のニードル脱毛は、毛根を焼く際に汗腺の一部も焼くため、多汗症になりづらいとされています。

わきがだと脱毛エステで断られる?

わきがであることを理由に施術を断られることはありません。光脱毛やレーザー脱毛で施術を断られるのは、

    お肌にトラブルがある。
    飲酒している。
    薬を服用している。

主にこの3つの場合です。

いずれも、脱毛ライトの熱で症状が重くなったり、肌トラブル、体調不良などが引き起こされるリスクを避けるための対策です。

わきがは、肌や体調に問題があるわけではありませんから、断られる心配はありません。気になる方は、エステに行く直前にわきの下をせっけんで洗ったり、ウェットタオルで汗を拭くとよいでしよう。

その場合は、除菌効果のあるものを使うと、常在菌が一時的に除去されるので、臭いを効果的に抑えることができます。

ただし制汗スプレーは使用を避けましょう。金属イオンを含む成分が使用されているスプレーだと、肌トラブルにつながることがあります。

でも、やはり臭いが恥ずかしくてエステに行きづらい、ということはありますよね。その場合は、皮膚科で相談するというのはどうでしょう。

脱毛を行っている皮膚科のクリニックで、「わきがを改善したいので脱毛を考えている」と相談します。皮膚科はわきが治療を日常的に行っていますから、美容目的のエステよりは、恥ずかしくないのではないでしょうか。

脱毛以外のわきが対策なども聞くことができるかもしれません。

クリニックではレーザー脱毛またはニードル脱毛を行っているのが一般的です。エステよりは施術費用が高額になることに注意してください。